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明日への視角

社会的影響力の再確立

岡部 謙治(自治労委員長)

 昨年は、いまの社会状況を反映してか、「勝ち組」と「負け組」という言葉が流行したり、「下流社会」というタイトルの本がベストセラーになったりと、日本社会のいわゆる「二極化」が、かなり目に見える形になってきました。小泉政権の発足から既に5年近くとなりますが、この政権は、何か根本的に、日本社会のありようを変えようとしているのではないかと思います。
  生活が苦しい世帯が20%近く上昇、国民の3分の2は生活不安を訴え、7年連続で自殺者が3万人を超えている、などという実態は、まさに「金持ちはもっと金持ちに、貧乏人はもっと貧乏に」という市場原理万能主義に基づく政策の結果でしょう。「想定外」の堀江さんなどはこれでいいのでしょうが、大多数の庶民にとって、この実態がいいことだとは思われません。
  先月号の巻頭言で、大内力さんから、「労働運動も形ばかり」と手厳しいお言葉をいただきました。今の状況を打開できない私たちの運動の不十分さを反省しつつ、今年は心も新たに、小泉構造改革に対する大きな対抗軸をどのようにつくっていくか、真剣に取り組んでいこうと思っています。
  社会のセーフティーネットである公共サービスを守るためには、これを担う私たち労働者の自覚が何より大切です。地域に根を張った運動を着実に進め、市民からの信頼を獲得する中から、社会の公正と公平を本旨とする、労働組合の社会的な影響力を再び確立していきたいと思っています。
  このためには、私たちが、自分たちの現場から何ができるのかを真剣に考え、真剣に取り組むことが求められています。その意味で、今年は、労働基本権の確立など、公務員制度改革の取り組みを、重要な課題として取り組みたいと考えています。
  皆さんのご理解とご協力をよろしくお願いします。

生活経済政策2006年2月号掲載