「国際女性デー」—教育の世界から変えていくしかない
清水秀行【日本教職員組合中央執行委員長】
3月8日の国際女性デー、連合の中央集会はWebで開催された。2020年の「構成組織、地方連合会における女性の労働組合への参画に関する調査」によると、「第4次男女平等参画推進計画」の目標の一つである「女性役員を選出している組織を、遅くとも2017年までに100%とする」について、地方連合会ではすべての組織で達成されているが、14の構成組織で女性役員が選出されていない。女性執行委員の比率は、連合全体の女性組合員比率36.2%を大きく下回り、構成組織15.4%、地方連合会12.8%となっている。地方連合会の女性三役では、会長2人(奈良・宮崎)、副会長26人、事務局長1人、また、構成組織では女性の副書記長が増えている。しかし、連合本部の女性三役は副会長が1人のみで、国際的に見ても課題がある。
「ジェンダーに関する問題ある公的発言ワースト投票2021」によると、第一位は「女性はいくらでもうそをつける」と発言した与党の衆議院議員。第二位は、東京五輪・パラリンピックの組織委員会会長による女性蔑視発言。第三位は、議会でLGBTへの差別発言をした足立区議会議員。2020年の日本のジェンダーギャップ指数は153か国中121位だが、特に政治分野の指数が低いことは以前から指摘されている。衆議院議員の女性比率は9.9%で極めて低い。話題となった足立区は東京23区で一人、女性の区長で、昨年4月に36歳で就任した徳島市長も女性だが、全国1,788自治体で女性首長はわずか2%の36人である。
私の出身の千葉県教組の青年部は、部長・副部長の他に執行委員が7人選出される。2019年度は女性が1人、2020年度は2人、そして2021年度は一挙に4人になった。次は、部長と副部長のどちらかが女性になることが期待される。3月の新旧引き継ぎの会も、どうしても対面でやりたいと新型コロナウイルスの感染拡大防止に留意しつつ行ったところ、大いに盛り上がったとのこと。今後の組合運動が楽しみだ。
世界の潮流は、2030年50%だ。2020年度の指導的立場への女性参画30%の目標を先送りした日本。教育の世界から変えていくしかない。学校現場から、そして、子どもたちから意識を変革し、実践を積み重ねていくことが求められる。
(生活経済政策2021年4月号掲載)