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明日への視角

未来志向の中で

竹内法心(日本郵政グループ労働組合委員長・生活研理事)

 郵政改革を巡り様々な意見が寄せられている。それだけ注目されている事業であるということになるが、民間企業として全国ネットワークを自前で維持していく、との私どもの立場からすると、利害関係者から特に強調されている「民業圧迫」「公平な競争条件」「暗黙の政府保証」には、強い違和感を覚える。
 私どもの見直し案は、郵便局会社と郵便事業会社にばらされた「郵便局」を再生し、「ゆうちょ銀行」「かんぽ生命」との代理店契約を将来にわたり維持していくために、この金融二社の一定の株式を郵便局会社・郵便事業会社・持株会社を統合した新たな会社に保有させることにしたものである。
 しかし、主張されている「民業圧迫」「公平な競争条件」で言えば、金融二社については「銀行法」「保険業法」適用会社とし他の金融機関と同等の立場になる仕組みとしている。また、国による株式の保有という点では、NTTやJT、関西国際空港などいくつもの事例があるが、国の関与の必要性があるからであろう。
 しかし、預金保険機構が持株会社の43.73%の株式を保有しているりそな銀行グループ、米国ではAIGが当てはまるが、限度額の設定や新商品開発と販売、出資など経営の自由度を厳しく規制しているであろうか。否、それでは企業として成り立たないからであろう。
 「公平な競争条件」「暗黙の政府保証」と言われるが、民営化以降の預金や保険契約は「預金保険機構」及び「保険契約者保護機構」への加入と納付が義務づけられており、政府保証は事実としてない。ないから「暗黙」といわざるを得ない。むしろ政府保証をしたのは民間金融機関に対する公的支援という事実である。

 一方で米国資本の保険会社が日本のガン保険市場で約80%のシェアを持っている、日本で独占的に販売している一企業のために米国政府自ら圧力をかけてくる、国益優先の姿勢が貫かれている。さて、民主党中心の政権には、事実を見据え、未来志向の中で、真に国民利益と国益から、この問題を処理していただきたいと、経営形態が変更されるたびに苦労し続けた、悲痛な組合員の叫びの中で思う。

生活経済政策2010年4月号掲載