春季生活闘争も子どもへの視点を
梶原貴【生活経済政策研究所会長・日教組中央執行委員長】
2026連合春季生活闘争に地方公務員を中心とした日教組はどうかかわっていくべきか。もちろん1つには春闘、最賃、人勧という年間を通じた賃上げ基調をつくることで自分たちの賃上げにつなげる目的がある。もう1つは子どもの教育保障の視点から春闘を闘う意義を日教組は確認している。
現在日本の子どもの児童虐待対応件相談件数は225,509件(こども家庭庁 23年)で、過去最多を繰り返している。その原因は複数の要因が関係し合い、明確な順位付けはできかねるものの、多くの研究者が、保護者の経済的困窮とそれに起因する孤立・孤独を指摘している。貧困が精神的不安定を引き起こし、家庭内不和や、家族関係の変化をもたらし、結果的にそれが弱い立場である子どもに、身体的・精神的ダメージを与える構図が見えてくる。また格差拡大は、深刻な教育格差につながることから、再配分等、貧困の連鎖を断ち切る早急な対策が求められる。しかしこれは、学校だけのとりくみでは解消されず、格差是正を訴える連合春季生活闘争に結集し、社会課題として是正されなければならない。格差是正→経済的困窮・孤立孤独からの脱却→子どもの教育保障→「働くことを軸とする安心社会」実現の好循環に結び付けていかなければならないことは、多くの方に賛同いただけると思っている。
そのための財源確保も大切である。現在日本の公財政教育支出は対GDP比3.4%となっているが、国連教職に関するハイレベルパネル勧告で指摘されている「GDP比6パーセント、政府支出総額の20パーセントが保障されるべき」にもとづき、教育インターナショナル(EI)加盟各国組織と連携して、教育予算拡充にむけ“Go Public Fund Education”キャンペーンにとりくんでいる。私ども日教組は結成以来、教育予算拡充を求めているが、少子高齢化が急速にすすむ今だからこそ、教育予算を確保し、子ども一人ひとりが権利の主体となる教育が保障され、個々の力を発揮できる社会へと転換していかなければならない。いわゆる「高校授業料無償化」や「学校給食無償化」も大切だが、いちばんは子どもたちのゆたかな学びを保障するための制度となるよう、教育全体を俯瞰しながら、連合、生活研に結集し、社会に粘り強く訴えていく所存である。
(生活経済政策2026年2月号掲載)
